FileMaker × SendGrid 連携
~ FileMaker から SendGrid API を使用してHTMLメールを送信する方法 ~
FileMakerサーバーの活用事例として、メール配信プラットフォームSendGridとの連携方法についてご紹介します。
FileMakerの用途として顧客管理を行うことは多いと思いますが、FileMakerで顧客管理のカスタムAppを作成し運用を行っていると、カスタムAppから顧客に一斉メール配信や、条件に応じて通知メールを送信したいというケースが発生すると思います。
当然FileMakerにもメール送信機能はあるので、カスタムAppから直接メールを送ることもできますが、大量のメール送信を行うときにカスタムApp や自社サーバーから直接送るというのはシステム構成的にも、安定性、到達性を考えても好ましくありません。
そこで今回はSendGridのAPI機能を使ってFileMkaerカスタムAppからメールを送信する方法をご紹介します。SendGridを有効活用することで下図のように一斉メールの配信や管理が非常に楽に実現できるようになります。
<< メール一斉配信を SendGrid 中継 で実施するメリット >>
設定方法
Step 1
SendGridアカウント作成とセットアップ
まずは、SendGridの無料アカウントを作成し、メール送信が行える環境を整えます。アカウントを作成したら、最低限以下の4つの設定が必要となります。SendGridは非常に高機能なシステムですので、様々な設定が行えますが、まずは単純にメールを送信するための設定とし、以下の4点が必要となります。
・送信者ドメインの認証
ダッシュボードにログイン → "Settings" → "Sender Authentication" より設定&自社
DNS等の設定
・送信者アドレスの登録・認証
ダッシュボードにログイン → "Marketing" → "Senders" より登録
・API Key
ダッシュボードにログイン → "Settings" → "API Keys" より作成
・テンプレートの作成
ダッシュボードにログイン → "Templates" → "Legacy" より作成
・テンプレートに置き換え用コードの設置
上記で作成したテンプレートのEdit画面でメール本文html内に [*****] という形で送信時に顧客名など置き換え用のタグを挿入しておきます。
Step 2
FileMakerカスタムAppの設定
※ここではFileMakerカスタムApp顧客DBがすでに作成済であり、FileMakerサーバーへのアップロードが完了していること、顧客のEmailアドレスと、送信対象の抽出条件は整っていることを前提とします。
FileMakerカスタムAppでcURLを使ったAPI接続用スクリプトを作成します。その際、SendGrid APIバージョン2または3どちらを使用するか事前に決めておいてください。
(1) ステップ1で作成したSendGridログインID/パスワード、Tamplate ID、API Key(バージョン3の場合のみ)、cURL送信先アドレスを準備します。
(2) SendGrid APIからのレスポンスを受け取るフィールドと、顧客へ送信する本文を入力するフォールドを作成します。
(3) FileMakerカスタムAppのスクリプトで、送信対象のEmail抽出→URLから取得、といったスクリプトを作成します。URLには(1)のcURL送信先アドレスを入力します。取得先のターゲットは(2)で作成したレスポンス用のフィールドにします。併せてSendGridへPOSTするBodyを(1)の情報と(2)の送信内容フィールドを使用してJson形式に整形します。この際本文や宛名、顧客名などはステップ1で設定したタグの内容に合わせます。
ここまでできたらステップ3のスクリプトの自動化の前に手動スクリプトを実行し、実際に送信できるかチェックしてください。
Step 3
FileMakerサーバーでスクリプトの自動設定を行う
Admin Consoleにログインし、"構成" → "スクリプトスケジュール"より、STEP2で作成したスクリプトのスケジュール設定を行います。
これで、設定したスケジュールで、自動的にSendGridを経由してメールが送信されるようになると思います。
以上で基本的な設定は完了ですが、ステップ2のレスポンスを受け取るフィールドの内容に従ってエラー処理を加えたり、顧客の配信停止クリックなどを自動的に取得する仕組みを組み合わせることで、さらに安定して便利なメール配信システムが構築可能です。
サンプル プログラム
上記設定に従って作成したサンプルFileMakerカスタムAppを無料で配布しておりますので、ご希望の方は下記よりお気軽にお問い合わせください。
SendGrid API V3に対応しております。テスト送信にもSendGridのアカウントが必要ですので、事前にSendGridの無料アカウントご準備ください。
弊社では、SendGridや他のメール配信システム、Googleなど、他のプラットフォームとFileMakerの連携、導入をサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。