レイアウトでの「Enter次フィールド移動」でつまずいていませんか?
FileMakerで入力用のレイアウトを作っていると、「Enterキー(またはReturnキー)を押したら、次のフィールドに移動してほしい」と感じる場面が多くあります。ところが、思ったように動いてくれず、
「Enterで改行されてしまう」「いつの間にか設定が変わっている」など、ちょっとしたストレスになることもあります。
この記事では、FileMakerのレイアウト設定で使える「Enterキーで次のフィールドへ移動」の基本的な考え方と、具体的な設定方法を、できるだけ専門用語を避けて解説します。フォーム入力を効率化したい方や、社内の入力画面を整えたい方の参考になれば幸いです。
「Enter次フィールド移動」とは何をしてくれる設定?
「Enter次フィールド移動」は、レイアウト上のフィールドにカーソルがある状態で、Enter(またはReturn)キーを押したときに、「改行」ではなく「次のフィールドへ移動」させるための設定です。
Excelでセルを入力してEnterを押すと次のセルへ移動する、あのイメージに近い動きだと考えると分かりやすいと思います。
この設定をうまく使うと、キーボードから手を離さずにどんどん入力を進めることができ、入力作業のスピードアップやミスの軽減につながります。
設定は「レイアウト」単位で効くのがポイント
まず押さえておきたいのは、「Enter次フィールド移動」はフィールドごとではなく、「レイアウトごと」に設定する、という点です。
同じテーブルのフィールドでも、レイアウトAではEnterで次フィールドへ移動、レイアウトBではEnterで改行、というように、画面ごとに動きを変えられます。
そのため、
- 一覧画面ではEnterで次フィールドへ移動するようにして、テンポよく入力
- メモ入力画面では、Enterでちゃんと改行できるようにしておく
といった使い分けが可能です。「どの画面で、どんな操作感にしたいか」をイメージしてから設定すると、迷いにくくなります。
「Enter次フィールド移動」の基本的な設定手順
ここでは、一般的なバージョンのClaris FileMaker Proを想定した、基本的な設定の流れを紹介します。細かな表示や名称はバージョンやOSによって多少異なりますが、考え方は同じです。
- レイアウトモードに切り替える
画面上部のメニューまたはステータスツールバーから「レイアウトモード」に切り替えます。 - 対象のレイアウトを表示しておく
Enterの動作を変えたいレイアウト(入力フォームなど)を開きます。 - レイアウトの「設定」画面を開く
メニューの「レイアウト」から「レイアウト設定…」を選択します。
(バージョンによっては名称が少し異なる場合がありますが、「レイアウト設定」「レイアウトのオプション」などの表記になっています) - 「一般」タブ(またはそれに相当する画面)を表示
レイアウト名などが表示されているタブの中から、「ナビゲーション」の項目にあるEnterキー/Returnキーの動作を指定できる設定を探します。 - 「Enterキーで次のフィールドへ移動」に相当する設定を選択する
Windowsでは「Enter キーを次のフィールドへ移動に使用」をオンにします。
macOSでは「Return キーの動作」で「次のオブジェクトへ移動」を選択します。 - OKを押してレイアウト設定を閉じる
この設定を行うと、そのレイアウト上でフィールドを編集しているときにEnterキー(またはReturnキー)を押すと、レイアウトに配置された順番(タブ順)で、次のフィールドにカーソルが移動するようになります。
思った順番に移動しないときのチェックポイント
Enterでフィールドを移動できるようになっても、「移動する順番がおかしい」「飛ばしたくないフィールドを飛ばしてしまう」といったことが起こる場合があります。そのときは、次の2つを確認するとよいでしょう。
1. タブ順(フィールドの巡回順)を確認する
Enterキー(またはReturnキー)で移動する順番は、基本的に「タブキーで移動する順番」と同じです。
レイアウトモードで、「タブ順の設定」や「タブオーダーの設定」といった機能を使い、フィールドをクリックする順に指定していくことで、移動の順番を整えることができます。
タブ順を整えるときは、
- 上から下、左から右、など、見た目の流れに合わせて設定する
- あまり触ってほしくないシステム用フィールドはタブ順から外す
といった点を意識すると、ユーザーにとって使いやすい画面になります。
2. グローバルフィールドやボタンなどのオブジェクトも含まれる
タブ順には、フィールドだけでなくボタンやポップオーバーなど、様々な「オブジェクト」が含まれることがあります。そのため、Enterキーで移動したときに、意図せずボタンにフォーカスが移るケースもあります。
レイアウトモードでタブ順を確認し、「ここは飛ばしたい」というオブジェクトがあれば、タブ順の設定から外すことで、Enterでの移動も避けられます。
Enterで改行したいフィールドとの付き合い方
文章を入力するメモフィールドでは、「Enterで改行したい」というケースもよくあります。
しかしレイアウト全体で「Enter次フィールド移動」を有効にしてしまうと、メモフィールドでもEnterで改行できず、思うように文章が書けなくなることがあります。
このような場合の対処方法として、次のような考え方があります。
- メモ専用のレイアウトを別に用意し、そこでは「Enter次フィールド移動」をオフにする
- 改行は「Shift+Enter」など別のキー操作で行う、というルールで運用する(Windows環境など)
- どうしても混乱が出る場合は、「Enter次フィールド移動」は使わず、Tabキーで移動する運用にする
誰がどのように使うレイアウトなのかを考えて、「早く入力したい画面」と「じっくり文章を書く画面」を分けて設計すると、使い勝手が大きく向上します。
効率よく入力できるレイアウト作りのコツ
「Enter次フィールド移動」は、単独の設定というよりも、「入力の流れをどう設計するか」という全体像の中の1つの要素、と考えると理解しやすくなります。
次のポイントを意識してレイアウトを見直してみてください。
- 入力順にフィールドを縦または横に並べ、目線の流れとカーソルの移動を合わせる
- 必須項目は手前に、補足的な項目は後ろに配置する
- タブ順(=Enterで進む順番)を、実際の業務の流れに合わせて設定する
- Enterで移動するレイアウトと、改行を多用するレイアウトを分ける
ちょっとしたレイアウトの工夫と、「Enter次フィールド移動」の設定を組み合わせるだけで、日々の入力作業がかなりスムーズになります。一度設定してしまえば、長く効果が続く部分なので、ぜひ一度見直してみてください。