顧客管理や申込書作成で、毎回「郵便番号を見て、住所を入力して…」という作業をしていませんか?入力ミスも起きやすく、時間もかかります。FileMakerでは、郵便番号から住所を自動入力させることで、この手間を大きく減らすことができます。本稿では、専門的な言葉はできるだけ避けながら、「ルックアップ」という機能を使った、郵便番号から住所を自動入力する仕組みづくりをやさしく解説します。
ルックアップで何ができるのか?
FileMakerの「ルックアップ」は、かんたんに言うと「別の表(テーブル)から、自動でデータを持ってくる仕組み」です。
これを使うことで、次のようなことができます。
- 郵便番号を入力すると、自動的に「都道府県」「市区町村」「町名」などが入る
- 入力のたびに住所を調べ直す必要がなくなる
- 手入力による入力ミスを減らせる
一度仕組みを作れば、あとは「郵便番号を入れるだけ」で住所が出てくるようになります。
準備するテーブルとフィールド
まず、郵便番号から住所を引き出すために、次のようなテーブル構成を用意します。
1. 顧客(または申込など)のテーブル
日常的に使うメインのテーブルです。例えば「顧客」テーブルとして、次のようなフィールドを用意します。
- 郵便番号(例:
郵便番号) - 住所1(都道府県+市区町村など)
- 住所2(町名・番地など)
実務に合わせて、住所を「都道府県」「市区町村」「町名」などに細かく分けてもかまいません。
2. 郵便番号マスタのテーブル
次に、「郵便番号マスタ」用のテーブルを用意します。ここには、郵便番号ごとの住所データをあらかじめ登録しておきます。
- 郵便番号(例:
郵便番号) - 都道府県
- 市区町村
- 町域
郵便番号データは、日本郵便が公開しているCSVを元に作る方法が一般的です。最初の整備には少し手間がかかりますが、一度作っておけば長く使えます。
テーブル同士のリレーションを設定する
ルックアップを使うには、「どのフィールド同士を結びつけるか」を決める必要があります。この結びつきが「リレーション」です。
- メニューバーから「ファイル」→「管理」→「データベース」を開き、「リレーションシップ」タブを表示します。
- 顧客テーブルと郵便番号マスタテーブルが両方表示されていることを確認します。
- 顧客テーブルの郵便番号フィールドと、郵便番号マスタテーブルの郵便番号フィールドをドラッグしてつなげます。
- 線が1本つながった状態になれば、郵便番号同士のリレーションが設定されたことになります。
この設定によって、「顧客テーブルで入力した郵便番号」と「郵便番号マスタテーブルの郵便番号」が一致したときに、関連づけられた住所情報を引き出せるようになります。
ルックアップの設定で住所を自動入力する
次に、実際に住所フィールドが自動入力されるよう、「ルックアップ」を設定します。ここでは、顧客テーブルの「住所1」フィールドに、郵便番号マスタの「都道府県+市区町村」を自動で入れる例を紹介します。
- メニューバーから「ファイル」→「管理」→「データベース」で「フィールド」タブを開き、顧客テーブルを選択します。
- 自動入力させたいフィールド(例:住所1)を選び、「オプション…」ボタンをクリックします。
- 「自動入力」タブを開き、「ルックアップ値」にチェックを入れます。
- 「指定…」ボタンをクリックし、次を選びます。
- ルックアップ元のテーブル:郵便番号マスタ
- ルックアップ元のフィールド:都道府県 & 市区町村(※1つのフィールドにしている場合)
- OKで閉じて設定を保存します。
同じ手順で、「住所2」フィールドに郵便番号マスタの「町域」をルックアップするなど、必要な項目ごとに設定しておくと便利です。
※都道府県と市区町村を別々のフィールドにしている場合は、それぞれに対してルックアップを設定します。「都道府県」フィールドには郵便番号マスタの「都道府県」、「市区町村」フィールドには「市区町村」というように、1対1で指定します。
実際の入力の流れ
ここまで設定ができたら、実際にどのような動きになるか見てみましょう。
- レイアウトで顧客の入力画面を開き、新規レコードを作成します。
- 郵便番号フィールドに「1000001」など、実在する郵便番号を入力します。
- Enterキーを押す、または別のフィールドに移動します。
- すると、設定した住所フィールド(住所1や都道府県、市区町村など)に、自動的に値が入ります。
このように、一度郵便番号を入力するだけで、住所の大部分が埋まるため、残りは番地や建物名を追加で入力するだけで済むようになります。
うまく動かないときのチェックポイント
設定しても住所が自動入力されない場合、次の点を確認してみてください。
- 郵便番号の書式:ハイフンあり/なしが一致していないと、リレーションが成立しません。どちらかに統一しましょう。
- リレーションのフィールド:顧客テーブルと郵便番号マスタテーブルで、正しい郵便番号フィールド同士をつないでいるか確認します。
- 郵便番号マスタのデータ:入力した郵便番号が、マスタ側に正しく登録されているかをチェックします。
- ルックアップの指定先:住所フィールドの「自動入力」設定で、正しいテーブルとフィールドを選んでいるかを見直します。
ルックアップ活用のコツ
郵便番号から住所を自動入力させる仕組みは、一度作ってしまえば、あとは日常的に大きな時短効果を発揮します。また、以下のような応用も可能です。
- 商品コードから商品名や単価を自動入力する
- 社員番号から氏名や部署名を自動入力する
- 会員番号から会員ランクや割引率を自動入力する
いずれも考え方は同じで、「共通のキーとなる番号」でテーブルを結び、「ルックアップ」で必要な情報を引き出すだけです。郵便番号の仕組みが作れれば、他の自動入力も応用して作れるようになります。